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体重コントロールのための支援

体重コントロールのための支援とは?

精神疾患を持つ人にとって体重増加や肥満はよく経験される問題の一つです。体重増加や肥満は、健康を損なう危険性が高まるだけでなく、精神的苦痛や治療の中断につながるといわれています。体重コントロールのための支援では、薬の服用や食事の管理、運動の実施などによって、体重増加を予防することや減量することを目指します。

コクランレビューについて

世界の研究について知る(コクランレビュー) 統合失調症における体重増加を抑えるための介入

基礎情報

対象者 統合失調症と診断されている人
組み入れ研究数 23件
研究参加人数 合計1037人
最終検索日 2006年4月
効果の調べ方 1.体重コントロールのための支援(薬物療法)と通常の支援を比較
2.体重コントロールのための支援(認知行動療法)と通常の支援を比較

体重コントロールのための支援は何に効果があるか?

表の見方はこちら

アウトカム/関心ごと 効果
1.体重コントロールのための支援(薬物療法) VS. 通常の支援
体重 減少
2.体重コントロールのための支援(認知行動療法) VS. 通常の支援
体重 減少

この表は、1.体重コントロールのための支援(薬物療法)を通常の支援と比べたとき、または2.体重コントロールのための支援(認知行動療法)を通常の支援と比べたとき、どの程度効果に違いがあるかを示しています。

薬物療法でも認知行動療法でも、体重は減少しました。

薬物療法では、通常服用している薬に加えて、体重増加を抑える効果がある補助薬が用いられました。
認知行動療法では、食事や運動の日記をつけることや、グループディスカッションの実施、または低脂肪食についての講義を受けるプログラムが1週間に1時間程度(4〜16週間)行われました。

留意点

組み入れられた研究の大半は研究の規模が小さく、異なる期間で行われた異なる支援を比較したため、体重コントロールのための支援の有効性について確定的な結論を出すためには、さらなる研究が望まれます。

[引用]
Faulkner G, Cohn T, Remington G. Interventions to reduce weight gain in schizophrenia. Cochrane Database of Systematic Reviews 2007, Issue 1. Art. No.: CD005148. DOI: 10.1002/14651858.CD005148.pub2.
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世界の研究について知る(コクランレビュー) 双極性障害のある人の肥満管理のための介入策

基礎情報

対象者 双極性障害と診断され、肥満を合併している人
組み入れ研究数 0件
最終検索日 2020年5月22日

肥満管理のための支援の効果を調べた研究が探されましたが、見つかりませんでした。

留意点

このレビューの組み入れ基準は「双極性障害と診断され、肥満(BMI:30kg/mM以上)を合併している人が研究参加者の80%を占める研究」でした。
双極性障害を持つ人に対する肥満管理のための支援が効果的かどうか、適切に設計された研究の実施が求められます。

[引用]
Tully A, Smyth S, Conway Y, Geddes J, Devane D, Kelly JP, Jordan F. Interventions for the management of obesity in people with bipolar disorder. Cochrane Database of Systematic Reviews 2020, Issue 7. Art. No.: CD013006. DOI: 10.1002/14651858.CD013006.pub2.
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