#症状の軽減
ユーモアに基づいた介入
Humour-based interventions
ユーモアに基づいた介入とは?
ユーモアに基づいた介入とは、ユーモアのある映画や面白いビデオ、お笑いを見る事などを指します。人生でうまくいかないことや納得いかないことを、遊び心を持って再発見したり振り返ったりすることで、健康を促進し、毎日を過ごしやすくすることが期待されています。これらは、抗精神病薬の投与などの標準的な治療法に追加して行われます。
世界の研究について知る(コクランレビュー) 統合失調症を持つ人に対するユーモアに基づいた介入
基礎情報
対象者 | 統合失調症を持つ人 |
---|---|
組み入れ研究数 | 2件 |
研究参加人数 | 合計96人 |
最終検索日 | 2021年2月 |
効果の調べ方 | ユーモアに基づいた介入を行った場合と、行わなかった場合(通常のケアのみ、他の心理療法的介入、その他の対照群)を比較 |
ユーモアに基づいた介入は何に効果があるか?
アウトカム/関心ごと | 効果 |
---|---|
1. ユーモアに基づいた介入1VS. ユーモアを伴わない活動 | |
抑うつ症状 | 改善 |
精神症状 | 同程度 |
陽性症状 | 同程度 |
陰性症状 | 同程度 |
不安 | 同程度 |
2. ユーモアに基づいた介入2VS. 標準治療 | |
抑うつ症状 | 同程度 |
この表は、1. ユーモアに基づいた介入とユーモアを伴わない活動を比べたとき、2. ユーモアに基づいた介入と標準治療を比べたとき、どの程度効果に違いがあるかを示しています。
1.の比較では、抑うつ症状に効果がありましたが、2.の比較ではその効果は認められませんでした。これ以外のアウトカムについては、ユーモアに基づいた介入とユーモアを伴わない活動との間に違いはありませんでした。
ユーモアに基づいた介入1とは、ユーモアのあるビデオ視聴に加えグループでの話し合いや遊びも含む、ユーモアスキル開発プログラムのことで、45〜60分のセッションが週2回、5週間にわたって実施されました。
ユーモアを伴わない活動とは、レクリエーション療法(手仕事)のことです。
ユーモアに基づいた介入2とは、笑いと気功を組み合わせた笑い気功プログラムのことで、40~50分のセッションが週2回、8週間にわたって実施されました。
留意点
組み入れられた2件の研究はいずれもエビデンスの質が低く、ユーモアに基づいた介入が、統合失調症を持つ人の精神状態や生活の質において、臨床的に重要な改善につながるかどうかは不明です。
- [引用]
- Tsujimoto Y, Nakamura Y, Banno M, Kohmura K, Tsujimoto H, Kataoka Y. Humour-based interventions for people with schizophrenia. Cochrane Database of Systematic Reviews 2021, Issue 10. Art. No.: CD013367. DOI: 10.1002/14651858.CD013367.pub2.
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