気ぞらし法

Distraction techniques

気ぞらし法とは?

気ぞらし法とは不快な症状と距離を置くための方法で、認知行動療法などにおいて用いられるテクニックの一つです。元々は、ストレス対処のために用いられてきた支援技法です。統合失調症を持つ人がこの方法を行う場合は、幻聴や、侵入思考(急に頭の中に現れる不愉快な思考)などから注意をそらすために、音楽を聴く、本を音読する、ものの数を数える、幻聴に対して言い返す、人と話す、散歩などの運動をする、などを行います。これらは、薬物療法や心理療法など、その他の治療に追加して行われます。

コクランレビューについて

世界の研究について知る(コクランレビュー) 統合失調症をもつ人の気ぞらし法

基礎情報

対象者 統合失調症を持つ人
組み入れ研究数 5件
研究参加人数 合計186人
最終検索日 2003年10月
効果の調べ方 気ぞらし法を行った場合と、行わなかった場合(通常の支援)を比較

気ぞらし法は何に効果があるか?

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アウトカム/関心ごと 効果
気ぞらし法 VS. 通常の支援
精神症状 同程度
研究からの離脱 同程度

この表は、気ぞらし法を行った場合と、行わなかった場合を比べたとき、どの程度効果に違いがあるかを示しています。

精神症状と、研究からの離脱について、効果に違いはありませんでした。

研究からの離脱とは、予定された研究期間が終わる前に、参加者がその研究への参加を取りやめることです。

留意点

現状では、気ぞらし法に大きな効果があるというエビデンスはありません。しかし、幻聴に対処するための様々なやり方を示せるという点で、たとえその効果がごくわずかであっても、統合失調症を持つ人に利益をもたらすと期待されています。効果を確かめるためのさらなる研究が望まれています。

[引用]
Crawford-Walker CJ, King A, Chan S. Distraction techniques for schizophrenia. Cochrane Database of Systematic Reviews 2005, Issue 1. Art. No.: CD004717. DOI: 10.1002/14651858.CD004717.pub2.
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