#再発・入院の予防 #治療の継続

継続・維持療法

継続・維持療法とは?

2年以上抑うつ状態が続く持続性抑うつ障害では、一度治療が成功しても、多くの場合再発が認められます。そのため、一般的な治療法である、抗うつ薬と心理療法、またはその両方を組み合わせた長期的な継続・維持療法を行い、症状の再発を防ぐ必要があると考えられています。
継続療法とは、症状が寛解している人(症状がほとんどなくなっている人)または抗うつ薬治療の効果が見られた人に行われる治療のことです。維持療法とは、寛解が6ヵ月以上続いている回復期に行われる治療のことです。

コクランレビューについて

世界の研究について知る(コクランレビュー) 成人における持続性抑うつ障害に対する、継続・維持療法の比較効果

基礎情報

対象者 持続性抑うつ障害を持つ人
組み入れ研究数 10件
研究参加人数 合計840人
最終検索日 2018年9月
効果の調べ方 薬物療法を行った場合と、行わなかった場合(プラセボ)を比較

継続・維持療法は何に効果があるか?

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アウトカム/関心ごと 効果
薬物療法を行った場合 VS. 行わなかった場合(プラセボ)
再発 少ない
治療からの離脱 少ない

この表は、持続性抑うつ障害に対する継続・維持療法として、薬物療法を行った場合と行わなかった場合を比較した時、どの程度効果に違いがあるかを示しています。

薬物療法を行った場合は、行わなかった場合と比較して、再発と治療からの離脱が少ない可能性が示されました。
このレビューでは、心理療法や心理療法と薬物療法の併用療法についても検討されていましたが、研究数が少ないため、その効果について明らかにすることはできませんでした。

薬物療法とは、抗うつ薬の服薬のことで、継続治療期間は4ヶ月〜2年でした。
薬物療法を行わなかった場合のプラセボとは、薬効成分を含まない錠剤を服用することです。
治療からの離脱とは、予定された治療期間が終わる前に、参加者がその治療への参加を取りやめることです。

留意点

組み入れられた研究数が少なく、またいくつかの研究で矛盾した結果が示されました。そのため、持続性抑うつ障害に対する継続・維持療法の効果を明らかにするためには、さらなる研究が必要です。

[引用]
Machmutow K, Meister R, Jansen A, Kriston L, Watzke B, Härter MC, Liebherz S. Comparative effectiveness of continuation and maintenance treatments for persistent depressive disorder in adults. Cochrane Database of Systematic Reviews 2019, Issue 5. Art. No.: CD012855.
DOI: 10.1002/14651858.CD012855.pub2.
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