精神病床より一般病床の方が良いの?

妄想や幻覚が起こり、現実との区別が難しくなると、入院治療が必要になることがあります。そのような場合、現在多くの国では精神科の専門病棟で治療を受けることがほとんどです。しかし、一部の発展途上国(ジャマイカなど)では、使える資源が限られているため、精神疾患の患者も、糖尿病や心疾患など精神疾患以外の患者と同じ病棟に入院し、治療を受けることがあります。そこで行われた研究では、一般病床(疾患を区別しない病床)に入院した患者の方がより回復が早く、その後も仕事や学校に復帰しやすいことが示唆されました。本当にその結果が普遍的かを確かめるため、一般病床と精神病床を比較する研究が求められています。

コクランレビューについて

世界の研究について知る(コクランレビュー) 急性期精神病患者のための開放型一般病棟と精神科専門病棟の比較

基礎情報

対象者 急性の精神病を発症した人
組み入れ研究数 0件
最終検索日 2007年4月

一般病床と精神病床を比較した研究が探されましたが、見つかりませんでした。

留意点

ジャマイカなどカリブ海地域での一般病床の実践は、エビデンスに基づいて行われているというより、社会的・経済的な理由で行われていると言えます。この実践について、きちんとデザインされた研究が行われる価値があります。

[引用]
Hickling FW, Abel W, Garner P, Rathbone J. Open general medical wards versus specialist psychiatric units for acute psychoses. Cochrane Database of Systematic Reviews 2007, Issue 4. Art. No.: CD003290. DOI: 10.1002/14651858.CD003290.pub2.
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