#生活の向上

支援付き住居

支援付き住居とは?

支援付き住居とは、当事者に住む場所と支援をセットで提供するサービスです。グループホームは支援付き住居の一形態です。マンションのような独立した個室の集合住宅や、キッチンや浴室などが共有の住居に入居して生活します。支援スタッフが常駐し、家事や食事の手伝い、服薬管理、面談などを行って生活を細やかにサポートします。一人暮らしが難しい重度精神疾患を持つ当事者にとっては、安定して地域に暮らすために役立つ方法と考えられています。一人暮らしの準備をする場所として、入居期間が定められている場合もあります。

コクランレビューについて

世界の研究について知る(コクランレビュー) 重度精神疾患を持つ人々に対する支援付き住居

基礎情報

対象者 重度精神疾患を持つ人
組み入れ研究数 0件
最終検索日 2006年7月

支援付き住居の効果を調べた研究が探されましたが、見つかりませんでした。

留意点

支援付き住居は当事者に恩恵をもたらす可能性がある一方で、専門家への依存度を高め、地域コミュニティからの排除を長引かせる可能性もあります。早急に重度精神疾患を持つ人に対する支援付き住居の効果を調査する必要があります。

[引用]
Chilvers R, Macdonald G, Hayes A. Supported housing for people with severe mental disorders. Cochrane Database of Systematic Reviews 2006, Issue 4. Art. No.: CD000453. DOI: 10.1002/14651858.CD000453.pub2.
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世界の研究について知る(コクランレビュー) 統合失調症に対する24時間ケア

基礎情報

対象者 重度精神疾患を持つ人
組み入れ研究数 1件
研究参加人数 合計22人
最終検索日 2004年2月
効果の調べ方 24時間体制の居住型リハビリテーションを行った場合と、行わなかった場合(通常の支援である入院)を比較

24時間ケアは何に効果があるか?

表の見方はこちら

アウトカム/関心ごと 効果
24時間ケア VS. 通常の支援
家事スキル 改善
公共施設の利用 増加
有意義な活動 増加
安定してその施設にいられるか 同程度
費用 同程度

この表は、24時間ケアを通常の支援と比べたとき、どの程度効果に違いがあるかを示しています。

24時間ケアとは、通常では入院が必要な、治療が効きにくい、あるいは複合的な症状がある当事者に対して行うものです。病院の外にある住宅に当事者が入居し、24時間体制で医療従事者が見守ります。また住宅の中で、グループまたは個人での治療プログラムを行います。
24時間ケアを行うと、家事のスキルの向上、公共施設の利用増加、前向きな活動の増加が認められました。安定してその施設にいられるか、費用については、通常の支援との明らかな差はありませんでした。

有意義な活動とは、ここでは「食事する」「セルフケア」などに費やしていた時間を指しています。

留意点

組み入れられたのは小規模な研究1件で、報告も十分ではありませんでした。このようなタイプの介入は、良い効果があり費用も安い可能性がありますが、さらなる研究を行わない限り、確かではありません。

[引用]
Macpherson R, Edwards TR, Chilvers R, David C, Elliott HJ. Twenty-four hour care for schizophrenia. Cochrane Database of Systematic Reviews 2009, Issue 2. Art. No.: CD004409. DOI: 10.1002/14651858.CD004409.pub2.
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